目次
1. 契約不適合責任とは
1-1. 定義と概念
1-2. 売買契約における適応例
1-3. 契約不適合責任と債務不履行責任の違い
1-4. 瑕疵担保責任と契約不適合責任の権利上の相違
1-5. 民法改正による影響
2. 契約不適合責任の免責
2-1. 免責特約の意味
2-2. 免責できる場合とできない場合
2-3. 免責特約による売却価格への影響
3. 売主が注意すべきポイント
3-1. 契約不適合責任を負うリスク
3-2. 契約不適合責任の対策
3-3. 免責特約の取り扱い
3-4. 購入者に知らしめる義務
3-5. 契約不適合責任免除特約の検討とその注意点
4. まとめ
1. 契約不適合責任とは
契約不適合責任とは、売主が買主に対して引き渡した物が契約内容に適合しない場合に、売主が負う責任を指します。具体的には、物件の状態や品質、仕様などが契約に合致していない場合に発生します。
1-1. 定義と概念
契約不適合責任とは、売主が買主に対して引き渡した物が契約内容に適合しない場合に負う責任のことを指します。売主は、売買契約に基づき、買主に対して約束した状態や品質を提供する責任があります。もし物件が契約内容と異なる場合、売主はその責任を負うことになります。
1-2. 売買契約における適応例
契約不適合責任は、不動産売買だけでなく、様々な売買契約において適応されます。具体的な適応例としては、以下のようなものがあります。
- 不動産の場合:建物の状態、設備の不具合、隠れた欠陥など
- 自動車の場合:走行距離や車両状態の不一致、事故歴の隠蔽など
- 家電製品の場合:機能不良や品質不良など これらの例は一部であり、契約不適合責任は
売買する物件や商品によって内容が異なります。
1-3. 契約不適合責任と債務不履行責任の違い
契約不適合責任と債務不履行責任は、異なる概念です。債務不履行責任は、買主のために契約書に明記された義務を履行しなかった場合に発生します。一方、契約不適合責任は、売主が提供した物が契約内容と異なる場合に発生します。
例えば、売主が約束した引き渡し日に物件を引き渡さなかった場合、これは債務不履行責任に該当します。一方、売主が約束した物件の状態や品質が契約内容と異なる場合、これは契約不適合責任に該当します。
1-4. 瑕疵担保責任と契約不適合責任の権利上の相違
契約不適合責任の前身である「瑕疵担保責任」とは、契約に基づく責任の一形態です。瑕疵担保責任は、売主が提供した物件に瑕疵(欠陥や瑕疵)が存在する場合に負う責任を指します。
民法改正により、瑕疵担保責任は「契約不適合責任」として位置づけられました。契約不適合責任の概念は基本的には瑕疵担保責任と同じですが、一部の改正が行われました。
1-5. 民法改正による影響
2020年4月の民法改正により、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」となり、売主の責任がより重くなりました。契約不適合責任を負う売主は、買主に対して適正な物件を提供することが求められます。
この改正により、売主は契約不適合責任を免責するためには、特約を契約書に明記する必要があります。また、改正前の契約書には新しい契約不適合責任の概念を適切に反映させる必要があります。
2. 契約不適合責任の免責
契約不適合責任の免責とは、売主が買主に対して引き渡した物が契約内容に適合しない場合に、売主が負う責任を免除することを指します。
2-1. 免責特約の意味
免責特約とは、契約書に特定の条件を明記することで、売主の契約不適合責任を免責するための特約のことです。具体的には、物件の状態や品質に関する事項、不具合や欠陥について明示的に免責する内容を記載します。
免責特約は、売主と買主の合意によって成立するものであり、契約書に明記する必要があります。免責特約は、売主にとっては契約不適合責任を回避するための手段となりますが、買主にとっては注意が必要なポイントとなります。
2-2. 免責できる場合とできない場合
売主が免責特約によって契約不適合責任を免責できるかどうかは、契約書や特約の内容によって異なります。
免責できる場合には、免責特約に明示的な条項があり、それに該当する不適合が発生した場合には買主の請求を受け付けず、免責されます。免責できる具体的な条件としては、買主の故意や過失に起因する不適合や一定の期間経過によって生じる不適合などが考えられます。
一方、免責できない場合には、免責特約に明記されていない不適合や、売主の故意・過失によって生じた不適合などは、契約不適合責任から免責されず、売主が責任を負うことになります。
2-3. 免責特約による売却価格への影響
免責特約によって契約不適合責任を免責する場合、売却価格に影響が生じることがあります。
特約による免責が認められる場合、売主は買主に対して商品の不完全性を認識させる必要があります。そのため、免責特約によって不適合が免責されることが明記されている場合、買主はそれを踏まえた上で売却価格を決定することになります。
売主は、免責特約による影響を考慮した適切な価格設定を行う必要があります。また、免責特約の範囲や条件が買主にとって不利なものである場合、買主は慎重に検討する必要があります。
3. 売主が注意すべきポイント
契約不適合責任を免責するためには、売主が以下のポイントに注意する必要があります。
3-1. 契約不適合責任を負うリスク
売主は買主に対して引き渡す物件が契約内容に適合していない場合、契約不適合責任を負うリスクがあります。契約不適合責任を免責しない場合、買主から追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除などの請求を受ける可能性があります。
3-2. 契約不適合責任の対策
売主は契約不適合責任を防ぐために、以下の対策を取ることが重要です。
- 物件の状態を事前に確認する。
- 買主に対して正確な情報を提供する。
- 弁護士や不動産専門家のアドバイスを受ける。
- 契約書の内容を明確にし、適切な特約を加える。
3-3. 免責特約の取り扱い
契約不適合責任を免責するためには、契約書に免責特約を記載する必要があります。売主は特約の範囲や条件、効力などを慎重に取り扱う必要があります。適切な特約を加えることで、買主からの追及を一部または全て免れることができます。
3-4. 購入者に知らしめる義務
売主は契約不適合責任を免責するために、購入者に対して特約の内容を知らしめる義務があります。特に重要な事項や免責の条件については、書面や口頭で明確に告知する必要があります。
買主に特約の内容を事前に理解させることで、契約不適合責任を免責することができます。
3-5. 契約不適合責任免除特約の検討とその注意点
売主は契約不適合責任を免除するために、契約不適合責任免除特約を検討することがあります。
ただし、特約の効力は制限される場合があります。買主の人的漏えいや故意の欠陥による事故、特約の不当な制約などは効力が制限される場合があります。売主は免責特約について慎重に検討し、注意点を把握する必要があります。
4. まとめ
売主が契約不適合責任を免責するためには、特約を契約書に明記する必要があります。
特約には免責する条件や範囲が記載されており、売主は免責特約の取り扱いに注意する必要があります。
契約不適合責任の追及は、買主が売主に対して追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除などの請求をすることが可能です。免責特約がある場合でも、特約の効力は制限される場合があるため、売主は注意が必要です。
契約不適合責任の期間は契約によって異なりますが、一般的には引き渡し後一定の期間内とされています。不動産売買では契約書の内容や免責の特約を事前に確認し、購入予定の物件についても事前に調査することが重要です。
今回は契約不適合責任により売主が注意すべきことを説明しました。空き家買取バンクでは全国の空き家買取はもちろん、様々な不動産の買取・仲介にも力を入れておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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