目次
はじめに
1. 空き家を処分する方法は?
2. 売却を見据えて
3. 空き家を売却する場合の選択肢
4. 空き家処分はすぐに着手した方が良い理由
4-1. 持っているだけでお金がかかる
4-2. 住んでいない家屋は思ったよりも早く傷んでしまう
4-3. 被災リスクを抱えることになる
4-4. 近隣に迷惑をかける可能性がある
4-5. 子世代に負の遺産を残すことになる
4-6. 早く売れば税制優遇が受けられる可能性がある
5. 空き家の処分にかかる費用
5-1. 空き家の家財を処分する費用
5-2. 空き家を解体する費用
6. 空き家の処分に使える補助金・助成金制度
まとめ
はじめに
親が住んでいた実家を相続したけれど、活用方法がわからず空き家になっている。
何年も前に買った別荘に行く機会もなくなり、空き家になっている。
こうした悩みを抱えている方は多いと思いますが、住まない空き家は今すぐ処分すべきといえます。
悩んでいる時間にもどんどん空き家の劣化は進んでしまいますし、管理に行く手間や交通費、固定資産税も重くのしかかってきます。
このコラムでは、空き家がちゃんと売れるのか心配という方向けに、空き家を処分するためのより良い方法(流れ)を解説していきます。
1. 空き家を処分する方法は?
空き家の処分にはいくつかのオプションがあります。
以下にいくつかの方法を挙げてみましょう。
・売却または賃貸:空き家を他の人に売却したり賃貸したりすることが考えられます。不動産業者を通じて市場調査を行い、適切な価格を設定してみてください。
・再開発:土地の用途を変更して再開発することも選択肢です。これには建築家や開発業者と協力する必要があります。地域の規制や法律にも十分な配慮が必要です。
・寄付:地元の団体や非営利組織に空き家を寄付することも考えられます。これにより、地域の再生や社会貢献に寄与することができます。
・解体:空き家が老朽化しており、修復が難しい場合は解体することも検討されます。解体後に土地を売却することもできます。
・地元自治体の支援を受ける:空き家処分に関連する地方自治体のプログラムや補助金を活用することも一つの方法です。地元の自治体の担当部署に相談してみましょう。
・地元自治体の支援を受ける:空き家処分に関連する地方自治体のプログラムや補助金を活用することも一つの方法です。地元の自治体の担当部署に相談してみましょう。
・再利用プロジェクトに参加:空き家を再利用するプロジェクトに参加することも考えられます。例えば、空き家をアートスペースや共同作業スペースに変えるプロジェクトなどがあります。
どの方法が最適かは、具体的な状況や地域の法律・規制、市場状況によって異なります。
地元の専門家や行政機関と協力し、最良の解決策を見つけることが重要です。
2. 売却を見据えて
売却は、空き家を処分する際にもっとも一般的に選べる方法です。空き家や土地を手放す代わりに対価を得ることができるため、メリットが大きい方法です。
① 売却するメリット
・すぐに売却を実行できる。
・売買が成立すれば、対価となるお金を得ることができる。
②売却するデメリット
・空き家が古い、立地が悪い場合は、買い手が見つからない可能性がある。
・売れない記感中も劣化が進んでしまう。
使わない空き家をそのまま持ち続けているなら、早く処分しないと危険です。
空き家を持ち続けると維持費や税金がかかったり、近隣トラブルに発展して、最悪の場合は、損害賠償金を請求される恐れもあるからです。かといって、空き家を早く処分しようと焦り、間違った処分方法を選ぶと、いつまでも空き家を手放せない状況に陥ります。
3. 空き家を売却する場合の選択肢
・そのまま販売する(仲介売却)
・更地にして土地として販売する(仲介売却)
・更地にして土地として販売する(仲介売却)
・リフォームしたあとに販売する(仲介売却)
・不動産会社に買い取ってもらう(買取)
そのまま売却する場合は、家の状態が良ければ「中古住宅」として、家が古くてもう住めない場合には「古家付き土地」として販売することになります。
また、家の状態がかなり劣化している場合は、家が無い方が高く早く売れる可能性が高いため、家を解体して更地にし、土地として販売する方法もあります。
その他、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」という方法もあります。買取を選ぶと、仲介売却で買い手が見つからないような物件でも販売できる可能性は高まりますが、販売価格が通常の5〜8割程度まで下がることが一般的です。
4. 空き家処分はすぐに着手した方が良い理由
4-1. 持っているだけでお金がかかる
空き家は持っているだけでお金がかかる「金食い虫」だと言われることがあります。
保有しているだけで想像以上のお金がかかるものなのです。
状況によって違いますが、保有しているだけでかかるお金には以下のようなものがあります。
固定資産税:物件によりますが、大体10〜15万円程度が目安
光熱費:電気や水道など、解約していなければ料金が発生
メンテナンス費:修繕にかかる費用、草むしりの費用、マンションの場合は管理費と修繕積立金が毎月かかる
火災保険・地震保険:火災保険や地震保険に入っている場合は、毎年保険料がかかる
交通費:空き家が遠方にある場合は、管理に行くたびにかかる
この中でもっとも負担が大きいのは、固定資産税です。固定資産税とは、土地や建物などを所有している人が必ず納めなければならない税金です。
物件により金額は異なりますが、一戸建ての場合は年額10~15万円が目安となります。
空き家をもし5年放置すると、誰も住んでいない空き家に50~75万円も払うことになります。さらに管理・メンテナンスする費用も別途かかります。このように、空き家は放置するだけで莫大なお金がかかる負債となってしまうのです。
さらに、長年放置して「特定空き家」に指定されてしまうと、なんと固定資産税が6倍になるケースも発生します。
4-2. 住んでいない家屋は思ったよりも早く傷んでしまう
人が住んでいる家と空き家では、劣化のスピードが異なります。人が住まなくなると、一気に傷みやすくなるのです。特に、定期的に掃除・片付けができない空き家ほど、思ったよりもどんどん劣化が進んでしまいます。
傷みやすくなる原因は、換気ができないこと、害虫や害獣による被害が出やすくなること、ホコリやサビなどが発生しやすくなることなどさまざまあります。
傷むスピードが早いということは、売却しようにもどんどん売却しづらくなってしまうということです。劣化の状態が進行する前に、売却を検討するのが得策です。
4-3. 被災リスクを抱えることになる
日本は地震大国とも言われており、頻繁に大きな地震が発生しています。さらに近年では、豪雨や台風なども多く起こっています。
誰も住んでいない空き家は、常に被災リスクを抱えている状態といえます。万が一空き家が天災による被害を受けた場合は、さらに売却しづらくなります。天災に備えて火災保険に入るのもコスト負担につながります。
4-4. 近隣に迷惑をかける可能性がある
また、最悪の場合は倒壊リスクもあります。万が一、空き家が倒壊して近隣に迷惑をかけることがあれば、迷惑をかけた相手に損害賠償を支払うことになるでしょう。
4-5. 子世代に負の遺産を残すことになる
親から不動産を遺産相続したといえば聞こえは良いですが、物件価値が低い空き家を相続してしまうと、それは負の遺産でしかありません。相続した空き家を売却しようにもなかなか買い手が付かなければ、処分してもらわなければならなくなります。
子世代に迷惑をかけたくなければ、早めに空き家を処分しておくのが親の務めでしょう。
4-6. 早く売れば、税制優遇が受けられる可能性がある
空き家を放置せず、早く売ることで売却時の税制優遇を受けられます。家を売却する際に節税できる2つの3000万円特別控除を使うと、簡単に言うと3,000万円の売却益があっても税金をゼロにできる制度です。
空き家を放っておくことで、空き家の周辺住民に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
例えば庭木が伸びすぎて隣の庭に達してしまったり、「ツタが生い茂って見た目が悪い」とクレームを受けたり、不法投棄されてしまったりすることが考えられます。
2つの3000万円特別控除
居住用財産の3000万円特別控除
相続空き家の3000万円特別控除
ただし、この優遇措置には「住まなくなってから3年後の12月31日まで」「相続開始から3年後の12月31日まで」という条件があります。つまり、空き家になってから(または相続してから)3年以内に売ることが、大幅に節税できるリミットとなります。 なるべく早くに空き家を処分することにどれほどのメリットがあるか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
5. 空き家の処分にかかる費用
5-1. 空き家の家財を処分する費用
空き家を処分する際には、まず家の中に残った家財道具一式を処分しなければなりません。
売却する時はもちろん、解体する場合でも解体工事会社は家財の処分はしてくれないことがほとんどだからです。
家財の量にもよりますが、一軒家の場合、専門会社に家財処分を依頼するとだいたい20万円~60万円程度かかります。「地域名+遺品整理サービス」で検索すると専門会社を見つけることができるので、まずは検索してみると良いでしょう。
5-2. 空き家を解体する費用
空き家を解体(取り壊し)する場合の費用は、木造の場合で1坪あたり3.1万~6.5万円程度かかります。例えば40坪の場合だと、124万円~260万円程度かかる計算となります。
実際には、同じ大きさの建物でも、立地や老朽化度合いなどによって価格は前後します。
6. 空き家の処分に使える補助金・助成金制度
最後に、空き家を処分する時に活用できる補助金制度について解説します。
空き家の増加が社会問題となっている昨今では、自治体が空き家処分を促進するために補助金を設置しているケースが見られます。
空き家を取り除いた場合に補助金・助成金を出す制度が一般的です。
上限金額や対象となる条件は自治体によって異なります。
例として、いくつかの自治体の内容を簡単に紹介します。
群馬県「空き家解体助成金」
周囲に危険を及ぼす恐れのある老朽化した空き家を解体する場合に、解体費用の一部を予算の範囲内で助成
◆助成金額:かかった費用に5分の4を乗じて得た額(上限100万円)
埼玉県行田市「老朽空き家等解体補助制度」
特に危険な状態にあるもの(老朽空き家等)の解体を行う場合には、予算の範囲内において、その費用の一部を補助
◆助成金額:解体工事に要した費用の1/2以内(上限50万円)
群馬県沼田市「沼田市空き家解体補助金」
自主的に解体する場合の解体費用の一部を、予算の範囲内で補助
◆助成金額:空き家解体工事費に3分の1を掛けて得た額(上限20万円)
自治体により助成内容は異なりますので、空き家の所在地である自治体の情報を調べてみてください。知らないと損してしまうので、必ず事前に制度の有無や内容をチェックしてみましょう。
まとめ
このコラムでは、空き家の処分方法について詳しく解説してきました。
一番高く処分できる「仲介売却」で空き家を処分できるのがもっとも理想的な処分方法です。
しかし、仲介売却でなかなか売れない場合には、更地にして土地として販売したり、直接買取をお願いしたりという選択肢を検討することも大切です。
まずは「査定」してみないと、空き家に需要があるのか、買い手が現れそうなのか知ることは不可能なので、できるだけ早くに不動産一括査定を行うことをおすすめします。
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