公開日:2025/10/01 更新日:2025/10/01

借地権付き建物をスムーズに売却するための完全ガイド:相場、流れ、注意点【2025年9月版】

借地権付き建物は、所有形態が特殊なため売却に不安を感じる方もいるかもしれません。この記事では、借地権の基礎知識から、売却方法、流れ、成功させるためのポイント、地主との交渉術まで、借地権付き建物の売却に関する情報を網羅的に解説します。三菱地所グループのTAQSIEなどのサービスも参考に、売却を成功させましょう。

目次
 借地権とは何か?売却前に知っておくべき基礎知識
  地上権と賃借権の違い:売却に影響するのは?
  旧法借地権と新法借地権:契約内容の確認ポイント
  借地権割合とは?不動産鑑定における重要性
 借地権付き建物の売却方法:最適な選択肢を見つける
  地主に買い取ってもらう:スムーズな売却の可能性
  第三者に売却する:不動産会社選びのポイント
  底地権と併せて売却する:売却価格アップの可能性
 借地権付き建物の売却の流れ:ステップごとの注意点
  不動産会社への査定依頼:複数の会社に依頼する
  地主との交渉:譲渡承諾料の相場と交渉術
  売買契約と引き渡し:必要な書類と手続き
 地主が売却を拒否する場合の対処法:借地非訟も視野に
  借地非訟とは?裁判所による解決
  弁護士への相談:専門家のアドバイス
  借地権売却における税金:譲渡所得税の計算と節税対策
 まとめ:借地権付き建物の売却を成功させるために

借地権とは何か?売却前に知っておくべき基礎知識

地上権と賃借権の違い:売却に影響するのは?

借地権は、土地を借りて建物を所有する権利のことで、その種類には地上権と賃借権があります。
地上権は、土地を直接利用する権利であり、 地主の承諾なしに自由に譲渡や転売が可能です。
一方、賃借権は、地主との賃貸借契約に基づいて 土地を利用する権利であり、譲渡や転貸には 地主の承諾が必要となるのが一般的です。

売却を検討する際には、 ご自身の借地権がどちらに該当するのかを 確認することが非常に重要です。
権利の種類によって、売却の手続きや条件、そして売却価格に大きな影響を与えるからです。
例えば、地上権であれば、比較的自由に売却を進められますが、賃借権の場合は、地主との交渉が不可欠となるケースが多くなります。また、それぞれの権利の評価方法も異なるため、 専門家への相談も視野に入れると良いでしょう。

これらの違いを理解することで、 売却戦略を立てやすくなり、 スムーズな売却活動につながります。

旧法借地権と新法借地権:契約内容の確認ポイント

借地権には、旧借地法と新借地法という2つの法律が適用される場合があります。旧法は1992年7月31日以前に 設定された借地権に適用され、借主の権利がより強く保護されているのが特徴です。
一方、新法は1992年8月1日以降に設定された借地権に適用され、契約期間や更新に関する規定が異なります。

売却を検討する際には、まずご自身の借地権がどちらの法律に適用されるのかを確認することが重要です。 契約書を確認し、契約日がいつであるかを確認しましょう。旧法借地権の場合、契約期間が満了しても、法定更新が認められるケースが多く、地主からの更新拒絶が難しい場合があります。

また、新法借地権では、定期借地権という更新のない借地権も存在します。この場合、契約期間が満了すれば、借地権は消滅し、建物を収去して土地を地主に返還する必要があります。

これらの違いを理解せずに売却を進めると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
契約内容をしっかりと確認し、必要であれば専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

借地権割合とは?不動産鑑定における重要性

借地権割合とは、土地全体の価格に占める 借地権の価格の割合を示すものです。
この割合は、相続税評価額を計算する際や、借地権の売買価格を決定する際に重要な要素となります。 一般的に、借地権割合は路線価図に記載されており、国税庁のホームページで確認することができます。

借地権割合が高いほど、借地権の価値が高いことを意味し、売却価格も高くなる傾向があります。
しかし、借地権割合はあくまで目安であり、実際の売却価格は、土地の形状や立地、 周辺の取引事例など、様々な要因によって変動します。

不動産鑑定士は、これらの要因を総合的に考慮して、借地権の適正な価格を評価します。
借地権の売却を検討する際には、不動産鑑定士に依頼して、正確な価格を把握することをおすすめします。また、不動産会社に査定を依頼する際にも、借地権割合を参考にしながら、担当者と価格交渉を行うと良いでしょう。借地権割合を理解することは、売却活動を有利に進めるための重要な知識となります。

借地権付き建物の売却方法:最適な選択肢を見つける

地主に買い取ってもらう:スムーズな売却の可能性

借地権付き建物を売却する方法として、まず最初に検討すべきは、地主への買取です。
地主は、土地の所有者であるため、借地権を買い取ることで、土地の利用に関する自由度を高めることができます。そのため、地主が買取に前向きな場合、比較的スムーズに売却を進めることができます。 地主に買取を打診する際には、まず不動産会社に査定を依頼し、売却価格の目安を把握しておきましょう。 その上で、地主との交渉に臨むことが重要です。

買取価格は、借地権割合や土地の状況、周辺の取引事例などを考慮して決定されます。
地主との交渉においては、誠意をもって対応し、お互いに納得できる条件を見つけることが大切です。また、不動産会社や弁護士などの専門家を交えて交渉することで、よりスムーズに話を進めることができるでしょう。
地主への買取は、他の売却方法と比較して、手続きが簡素化されるというメリットがあります。
しかし、買取価格が相場よりも低くなる可能性もあるため、慎重に検討することが重要です。

第三者に売却する:不動産会社選びのポイント

地主が買取を希望しない場合や、買取価格に納得できない場合は、第三者に売却することを検討しましょう。 第三者への売却は、より高い価格で売却できる可能性がありますが、手続きが複雑になる場合もあります。
第三者に売却する際には、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。
不動産会社選びは、売却の成否を左右する重要な要素となるため、慎重に選ぶ必要があります。

借地権の売却に強い不動産会社を選ぶことが重要です。
不動産会社を選ぶ際には、まず複数の会社に査定を依頼し、 査定額や担当者の対応を比較検討しましょう。

また、借地権の売却実績や、借地権に関する知識の豊富さなども確認しておきましょう。
さらに、不動産会社がどのような販売戦略を持っているのかも確認することが重要です。
インターネット広告やチラシ配布など、様々な販売方法がありますが、ご自身の物件に合った効果的な 販売戦略を提案してくれる会社を選びましょう。

不動産会社を選ぶ際には、必ず複数の会社を比較検討し、信頼できる会社を選ぶようにしましょう。

底地権と併せて売却する:売却価格アップの可能性

借地権付き建物を売却する際に、底地権と併せて売却するという選択肢もあります。底地権とは、土地を所有する権利のことで、通常は地主が所有しています。

借地権と底地権を同時に売却することで、土地全体の価値を最大限に引き出すことができます。
借地権と底地権を併せて売却する場合、地主と協力して売却を進めることが理想的です。

地主が売却に同意すれば、借地権者と地主が共同で買主を探し、売却価格を分配することになります。 この場合、売却価格は、借地権割合や土地の状況、周辺の取引事例などを考慮して決定されます。
借地権者と地主が、お互いに納得できる分配割合を決定することが重要です。
借地権と底地権を併せて売却することで、個別に売却するよりも高い価格で売却できる可能性があります。
しかし、地主との協力が必要となるため、事前にしっかりと話し合い、合意を得ておくことが大切です。

借地権付き建物の売却の流れ:ステップごとの注意点

不動産会社への査定依頼:複数の会社に依頼する

借地権付き建物の売却を検討する場合、まず最初に行うべきことは、 複数の不動産会社に査定を依頼することです。
査定を依頼することで、ご自身の物件がいくらで売却できるかの目安を知ることができます。

不動産会社によって、査定額は異なる場合があります。
これは、不動産会社が持っている情報や、得意とするエリア、販売戦略などが異なるためです。そのため、複数の会社に査定を依頼し、査定額を比較検討することが重要です。
査定を依頼する際には、ご自身の物件の情報を正確に伝えるようにしましょう。
物件の所在地や面積、築年数、建物の状態などを詳しく伝えることで、より正確な査定額を算出してもらうことができます。

また、査定額だけでなく、担当者の対応や、会社の信頼性なども比較検討することが重要です。
担当者が親身になって相談に乗ってくれるか、会社の評判はどうかなどを確認し、信頼できる会社を選ぶようにしましょう。

地主との交渉:譲渡承諾料の相場と交渉術

借地権を第三者に売却する場合、地主の承諾が必要となります。
これは、借地権が地主との賃貸借契約に基づく権利であるためです。
地主の承諾を得る際には、譲渡承諾料を支払うのが一般的です。
譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%程度とされていますが、土地の状況や契約内容によって変動する場合があります。

譲渡承諾料は、交渉によって減額できる場合もあります。
地主との交渉においては、誠意をもって対応し、譲渡を承諾してもらえるように努めましょう。
譲渡によって地主にどのようなメリットがあるのかを説明したり、譲渡承諾料の減額を交渉したりするなど、様々な方法が考えられます。

地主との交渉が難航する場合は、不動産会社や弁護士などの専門家を交えて交渉することを検討しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、円満な解決を目指すことができます。

売買契約と引き渡し:必要な書類と手続き

買主が見つかり、売却条件が合意に至ったら、売買契約を締結します。
売買契約書には、売買価格や引き渡し時期、その他の条件が記載されますので、内容をよく確認してから署名・捺印しましょう。

売買契約締結後、買主は住宅ローンなどの融資手続きを進めます。融資が実行されれば、いよいよ引き渡しとなります。
引き渡しの際には、所有権移転登記を行う必要があります。
これは、買主が土地と建物の正式な所有者となるための手続きです。
所有権移転登記は、司法書士に依頼するのが一般的です。

引き渡しの際には、固定資産税や都市計画税などの清算も行います。
これらの税金は、引き渡し日を基準に日割り計算し、売主と買主がそれぞれ負担します。
引き渡しが完了すれば、売却手続きはすべて完了となります。
売却代金を受け取り、 確定申告を行えば、 借地権付き建物の売却は完了です。

地主が売却を拒否する場合の対処法:借地非訟も視野に

借地非訟とは?裁判所による解決

地主が正当な理由なく借地権の譲渡を拒否する場合、借地人は裁判所に借地非訟を申し立てることができます。
借地非訟とは、借地条件の変更や借地契約の更新などを巡る紛争を、裁判所が仲介・調停・審判を通じて解決する手続きです。
借地非訟を申し立てるには、地主が譲渡を拒否する理由が正当でないことを立証する必要があります。

例えば、地主が譲渡承諾料を不当に高額に請求している場合や、譲渡によって地主に具体的な損害が発生する可能性がない場合などが、正当な理由に当たらないとされることがあります。
裁判所は、借地人と地主の双方の主張を聞き、和解を試みます。和解が成立しない場合は、裁判所が審判を下し、譲渡の許可を与えることがあります。ただし、裁判所の審判は、地主の権利を侵害するものであってはならず、譲渡によって地主に損害が発生する可能性がある場合は、譲渡を許可しないこともあります。
借地非訟は、専門的な知識や手続きが必要となるため、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士への相談:専門家のアドバイス

地主との交渉が難航する場合や、法的な問題が発生した場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、法律の専門家であり、借地権に関する様々な問題について、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。

弁護士に相談することで、ご自身の権利や義務を正確に理解することができます。
また、地主との交渉を有利に進めるための戦略を立てたり、必要な書類を作成したりするサポートを受けることもできます。
さらに、万が一、裁判になった場合でも、弁護士は代理人として法廷で弁護活動を行うことができます。 弁護士に依頼することで、安心して裁判に臨むことができます。

弁護士を選ぶ際には、借地権に関する知識や経験が豊富な弁護士を選ぶようにしましょう。
また、相談しやすい雰囲気であるか、費用が明確であるかなども確認しておくと良いでしょう。
弁護士への相談は、問題解決への第一歩となります。
悩まずに、まずは専門家のアドバイスを受けてみましょう。

借地権売却における税金:譲渡所得税の計算と節税対策

借地権を売却した場合、譲渡所得税という税金がかかります。
譲渡所得税は、借地権の売却によって得た利益に対して課税される税金で、所得税と復興特別所得税、そして住民税で構成されています。

譲渡所得税の金額は、借地権の取得費や売却費用、特別控除などを考慮して計算されます。
取得費とは、借地権を取得した際にかかった費用のことで、購入代金や仲介手数料などが 含まれます。売却費用とは、売却にかかった費用のことで、仲介手数料や登記費用などが含まれます。
譲渡所得税を計算する際には、これらの費用を正確に把握し、税務署に申告する必要があります。
また、借地権の売却には、様々な税制上の特例が適用される場合があります。

例えば、居住用財産の譲渡所得の特別控除や、特定の居住用財産の買い換えの特例などがあります。
これらの特例を適用することで、譲渡所得税を大幅に減額できる可能性があります。
税金に関する知識は複雑で、間違いやすいものです。税理士に相談し、正確な計算と節税対策を行うことをおすすめします。

まとめ:借地権付き建物の売却を成功させるために

借地権付き建物の売却は、通常の不動産売却とは異なり、専門的な知識や手続きが必要となる場合があります。
地主との交渉や、譲渡承諾料の支払い、税金の問題など、様々なハードルがあります。

しかし、この記事で解説したように、適切な準備と対策を行うことで、スムーズな売却を実現することができます。
まずは、ご自身の借地権の種類や契約内容をしっかりと確認し、売却方法を検討しましょう。
そして、信頼できる不動産会社や 弁護士、税理士などの専門家と協力して、売却活動を進めていきましょう。

専門家のアドバイスを受けることで、不安や疑問を解消し、安心して売却を進めることができます。
借地権付き建物の売却は、決して簡単なものではありませんが、この記事が、皆様の売却活動の一助となれば幸いです。
粘り強く、そして慎重に進めていくことで、必ず成功させることができるでしょう。

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