公開日:2025/08/04 更新日:2025/08/04

空き家倒壊による責任問題とは?所有者の義務と対策を解説【2025年4月版】

空き家を所有していると、倒壊による事故のリスクがつきものです。もし空き家が倒壊してしまった場合、誰が責任を負うことになるのでしょうか?この記事では、空き家倒壊における所有者の責任と、未然に防ぐための対策について詳しく解説します。

目次
 空き家倒壊のリスクと法的責任
  空き家放置がもたらす危険性
  所有者の法的責任範囲
  特定空き家と行政代執行のリスク
 空き家倒壊を防ぐための管理方法
  定期的な点検とメンテナンス
  適切な換気と湿度管理
  近隣住民とのコミュニケーション
 空き家の活用・売却という選択肢
  空き家バンクの利用
  専門業者への売却
  解体して更地にする
 空き家管理サービスの利用
  空き家管理サービスとは?
  管理サービスのメリット
  サービスを選ぶ際の注意点
 まとめ:空き家管理は所有者の義務

空き家倒壊のリスクと法的責任

空き家放置がもたらす危険性

空き家を放置することは、様々な危険性をはらんでいます。
建物自体の老朽化が進むのはもちろんのこと、倒壊や一部損壊のリスクも高まります。もし倒壊した場合、人的被害を引き起こす可能性があり、 所有者は法的責任を問われることになります。

空き家が放置されると、建物の基礎部分や屋根、外壁などが徐々に劣化していきます。
雨漏りが発生したり、シロアリなどの害虫が発生したりすることもあります。これらの劣化が進行すると、建物全体の強度が低下し、 地震や台風などの自然災害によって倒壊する危険性が高まります。

また、建物の一部が崩落したり、屋根瓦が落下したりするだけでも、 通行人や近隣住民に怪我をさせてしまう可能性があります。特に、前面道路に面した空き家や、隣接する建物との距離が近い空き家は、 倒壊や損壊による被害が大きくなる可能性があるので注意が必要です。

空き家を放置することは、景観を損ねるだけでなく、 犯罪を誘発する原因にもなります。不法侵入や不法投棄、放火などのリスクも高まります。空き家は、地域の安全・安心を脅かす存在となる可能性があることを認識しておく必要があります。
したがって、空き家を所有している場合は、適切な管理を行い、倒壊や損壊による事故を未然に防ぐことが重要です。

所有者の法的責任範囲

空き家の倒壊によって人に損害を与えてしまった場合、空き家の所有者は民法に基づき、損害賠償責任を負う可能性があります。

民法717条には、土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償しなければならないと定められています。ただし、占有者が損害の発生を防止するために必要な注意をしていたときは、 所有者がその損害を賠償しなければならないとされています。

ここでいう「工作物」とは、建物や塀、電柱など、土地に接着して作られたものを指します。
空き家も当然この工作物に該当します。「瑕疵」とは、通常備わっているべき安全性を欠いている状態を指します。

例えば、老朽化が進んで倒壊の危険性がある空き家は、瑕疵があると判断される可能性があります。
したがって、空き家の所有者は、空き家が倒壊しないように、 適切な管理を行う義務があります。定期的な点検や修繕を行い、建物の安全性を確保する必要があります。

もし空き家の管理を怠り、倒壊によって人に損害を与えてしまった場合は、損害賠償責任を問われる可能性があることを認識しておく必要があります。
損害賠償の範囲は、被害者の治療費や慰謝料、休業損害、後遺障害による逸失利益など多岐にわたります。

賠償額は、被害の程度や被害者の状況によって大きく異なりますが、 高額になるケースも少なくありません。空き家を放置することは、経済的なリスクも伴うことを理解しておくべきでしょう。

特定空き家と行政代執行のリスク

空き家の中でも、特に管理が不十分で、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすおそれのあるものは、「特定空き家」に指定されることがあります。
特定空き家に指定されると、固定資産税の優遇措置が解除され、税負担が増加する可能性があります。

特定空き家とは、具体的には、・保安上危険な状態である ・衛生上有害となるおそれがある ・景観を著しく損なっている・周辺の生活環境の保全上不適切である といった状態の空き家を指します。

特定空き家に指定されると、行政から改善命令が出されることがあります。改善命令に従わない場合、行政代執行によって解体されることがあります。
行政代執行とは、行政が所有者に代わって必要な措置を行うことであり、その費用は所有者に請求されます。

つまり、特定空き家に指定され、行政代執行によって解体された場合、 解体費用を自己負担しなければならないということです。解体費用は、建物の規模や構造によって異なりますが、 数百万円単位になることもあります。

また、特定空き家に指定されると、近隣住民からの苦情が増えたり、地域の評判が低下したりする可能性もあります。
空き家を放置することは、経済的な負担だけでなく、 精神的な負担も伴うことを認識しておく必要があります。したがって、空き家を所有している場合は、特定空き家に指定されないように、 適切な管理を行うことが重要です。

空き家倒壊を防ぐための管理方法

定期的な点検とメンテナンス

空き家の倒壊を防ぐためには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。少なくとも年に一度は、専門業者に依頼して建物の状態を詳しく点検してもらいましょう。

点検では、屋根や外壁のひび割れ、雨漏りの有無、シロアリなどの害虫被害の有無などを確認します。
また、基礎部分や柱、梁などの構造部分に異常がないかもチェックします。

もし点検で異常が見つかった場合は、早めに修繕を行うことが重要です。
小さなひび割れや雨漏りも、放置すると大きな劣化につながる可能性があります。修繕費用を惜しんで放置すると、結果的に修繕費用がさらに高額になったり、 最悪の場合、倒壊につながったりするおそれがあります。

また、庭木の剪定や草刈りも定期的に行いましょう。
庭木が伸び放題になると、建物に覆いかぶさって雨漏りの原因になったり、 害虫が発生しやすくなったりします。

自分で点検やメンテナンスを行うのが難しい場合は、 空き家管理サービスを利用することも検討しましょう。空き家管理サービスでは、定期的な点検や清掃、メンテナンスなどを代行してくれます。専門業者に管理を任せることで、空き家の状態を良好に保ち、倒壊のリスクを軽減することができます。

適切な換気と湿度管理

空き家の内部の換気を定期的に行うことは、建物の劣化を防ぐ上で非常に重要です。
換気が不十分だと、室内に湿気がこもり、カビや結露が発生しやすくなります。カビや結露は、建物の腐食を促進し、構造部分を弱体化させる原因となります。

月に一度程度、窓を開けて換気を行うようにしましょう。特に、梅雨時期や夏場は湿度が高くなりやすいので、こまめな換気を心がけましょう。
換気を行う際は、全ての窓を同時に開けるだけでなく、押し入れやクローゼットの扉も開けて、空気の通り道を確保することが重要です。
また、除湿剤や乾燥剤を設置することも有効です。特に、水回りは湿気がこもりやすいので、重点的に対策を行いましょう。

可能であれば、換気システムを導入することも検討してみましょう。換気システムは、室内の空気を自動的に入れ替えてくれるので、 手間をかけずに換気を行うことができます。
換気と湿度管理を適切に行うことで、建物の腐食を防ぎ、寿命を延ばすことができます。

近隣住民とのコミュニケーション

空き家を管理する上で、近隣住民との良好なコミュニケーションは非常に重要です。日頃から近隣住民とコミュニケーションを取り、 空き家の状況を把握してもらうように心がけましょう。

例えば、定期的に挨拶をしたり、空き家の管理状況について説明したりすることで、 近隣住民からの理解と協力を得ることができます。
また、近隣住民に空き家の連絡先を伝えておくことも重要です。もし空き家に異常があった場合、 すぐに連絡をもらえるようにしておけば、 早期に対応することができます。

例えば、屋根瓦が落下したり、庭木が道路にはみ出したりした場合など、 近隣住民からの連絡によって、 迅速に問題を解決することができます。
近隣住民とのコミュニケーションを密にすることで、 空き家に関するトラブルを未然に防ぎ、 良好な関係を築くことができます。空き家は地域の共有財産であるという意識を持ち、 近隣住民と協力して管理していくことが大切です。

空き家の活用・売却という選択肢

空き家バンクの利用

空き家バンクは、自治体が運営する空き家情報の発信サイトです。
空き家を売りたい・貸したい所有者と、空き家を借りたい・買いたい利用者を結びつける役割を果たします。

空き家バンクに登録することで、 全国の空き家を探している人々に情報が公開され、売却や賃貸の機会が広がる可能性があります。
空き家バンクへの登録は、通常無料で行うことができます。

登録に必要な書類や手続きは、自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
空き家バンクに登録する際には、 空き家の詳細な情報を記載する必要があります。
建物の状態、間取り、設備、周辺環境など、できるだけ詳しく記載することで、 利用者の関心を引きやすくなります。

また、空き家の写真も掲載することが重要です。外観だけでなく、内装や庭などの写真も掲載することで、 空き家の魅力をアピールすることができます。
空き家バンクは、空き家を有効活用するための手段の一つとして、 積極的に活用してみましょう。

専門業者への売却

空き家をスムーズに手放したい場合は、空き家買取専科のような専門業者への売却がおすすめです。
専門業者は、老朽化した空き家や、 再建築不可の空き家でも、積極的に買い取ってくれます。

専門業者に売却するメリットは、 ・仲介手数料がかからない ・現状のままで売却できる ・契約不適合責任を免責される などが挙げられます。
仲介手数料は、売買価格の3%+6万円が上限とされていますが、専門業者への売却では、この仲介手数料が不要となります。

また、通常、不動産を売却する際には、雨漏りやシロアリ被害などの欠陥について、 契約不適合責任を負う必要がありますが、 専門業者への売却では、この責任を免責されることが多いです。
ただし、専門業者への売却価格は、 相場よりも安くなる傾向があります。

これは、専門業者が買い取った空き家をリフォームしたり、解体して更地にしたりする費用を考慮しているためです。
複数の専門業者に見積もりを依頼し、 売却価格や条件を比較検討することが重要です。

解体して更地にする

空き家を解体して更地にすることは、 倒壊のリスクを根本的に解消するための有効な手段です。
更地にすることで、固定資産税が軽減される場合もあります。

ただし、解体費用がかかる点に注意が必要です。 解体費用は、建物の構造や規模、 アスベストの有無などによって異なりますが、一般的には、100万円以上かかることが多いです。

解体工事を行う際には、 事前に近隣住民に挨拶をして、工事期間や騒音などについて理解を求めておくことが重要です。

また、解体工事を行う際には、 建設リサイクル法に基づいて、適切に廃棄物を処理する必要があります。
解体工事後には、土地の測量や地盤調査を行うことも検討しましょう。

測量によって、土地の境界を明確にし、地盤調査によって、土地の強度を確認することができます。
更地にした後は、駐車場や資材置き場として活用したり、 新たに建物を建築したりすることができます。

解体して更地にする場合は、 解体費用や税金、その後の土地活用などについて、 事前にしっかりと検討することが重要です。

空き家管理サービスの利用

空き家管理サービスとは?

空き家管理サービスとは、専門の事業者が空き家の管理を代行してくれるサービスです。
所有者に代わって、定期的な清掃、点検、メンテナンスなど、 様々なサービスを提供してくれます。

空き家管理サービスを利用することで、 所有者は時間や手間を省くことができます。また、専門的な知識や技術を持った業者に管理を任せることで、空き家の状態を良好に保ち、 倒壊のリスクを軽減することができます。

空き家管理サービスの内容は、 事業者によって異なりますが、 一般的には、・定期的な巡回と点検 ・清掃 ・庭木の剪定や草刈り ・郵便物の整理 ・通風や換気 ・雨漏りや不法侵入の確認 などが含まれています。

また、オプションサービスとして、 ・修繕 ・リフォーム ・家財整理 ・害虫駆除 なども提供している事業者もあります。空き家管理サービスを利用することで、空き家の管理に関する様々な問題を解決することができます。

管理サービスのメリット

空き家管理サービスを利用するメリットは数多くあります。まず、時間と手間を大幅に削減できる点が挙げられます。
空き家の管理は、定期的な清掃や点検、 庭の手入れなど、意外と手間がかかるものです。特に、遠方に住んでいる場合は、 頻繁に空き家を訪れることが難しいため、 管理が行き届かなくなることがあります。

空き家管理サービスを利用すれば、これらの作業を全て代行してくれるので、 時間と手間を省くことができます。

次に、空き家の状態を良好に保つことができる点が挙げられます。専門業者は、空き家の管理に関する専門的な知識や技術を持っているので、 適切に管理を行うことができます。 雨漏りやシロアリ被害などの早期発見、適切な修繕、防犯対策など、 専門的な視点から空き家を守ってくれます。

また、空き家管理サービスを利用することで、近隣住民とのトラブルを回避することができます。
空き家が放置されていると、 雑草が生い茂ったり、不法投棄されたり、 景観を損ねたりすることがあります。これらのことが原因で、 近隣住民から苦情が出ることがあります。

空き家管理サービスを利用すれば、 定期的に清掃や庭の手入れを行うので、近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことができます。

サービスを選ぶ際の注意点

空き家管理サービスを選ぶ際には、 料金体系やサービス内容を比較検討することが重要です。事業者によって、料金体系やサービス内容が異なるため、 自分のニーズに合ったサービスを選ぶようにしましょう。

料金体系は、月額料金制、年間料金制、都度払い制などがあります。
月額料金制は、毎月一定の料金を支払うことで、 定期的な管理サービスを受けることができます。年間料金制は、年間の料金を一括で支払うことで、 月額料金制よりも割安になることが多いです。

都度払い制は、必要な時に必要なサービスだけを依頼することができます。サービス内容も、事業者によって異なります。
定期的な巡回と点検、清掃、庭木の剪定、 郵便物の整理など、基本的なサービスに加えて、オプションサービスとして、 修繕、リフォーム、家財整理などを提供している事業者もあります。

また、実績や評判も確認することが重要です。インターネット上の口コミや評判、 事業者のホームページなどで、 実績や評判を確認することができます。

複数の事業者に見積もりを依頼し、料金やサービス内容を比較検討した上で、 信頼できる事業者を選ぶようにしましょう。

まとめ:空き家管理は所有者の義務

空き家を所有している限り、適切な管理を行うことは所有者の義務です。
空き家の放置は、倒壊による事故や、 犯罪の誘発、景観の悪化など、 様々な問題を引き起こす可能性があります。
これらの問題を未然に防ぐためにも、 定期的な点検やメンテナンスを怠らず、 必要に応じて専門家の力を借りることも検討しましょう。

空き家管理サービスを利用したり、 空き家バンクに登録したり、 専門業者に売却したりするなど、 様々な選択肢があります。
自分の状況やニーズに合った方法で、空き家を適切に管理し、 有効活用することが重要です。 空き家問題は、社会全体の問題でもあります。

空き家を放置せずに、 地域社会に貢献できるよう、積極的に取り組んでいきましょう。 空き家を適切に管理し、活用することで、 地域の活性化にもつながります。

当社は、 全国の空き家問題や相続問題・訳あり不動産の買取を専門とした会社です。 

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