空き家を所有している皆さん、特定空き家に指定されると固定資産税の軽減措置が受けられなくなるなど、様々なデメリットが発生します。この記事では、特定空き家に指定される前にできる対策を具体的に解説し、大切な資産を守るための情報を提供します。
目次
特定空き家とは?指定されるとどうなる?
特定空き家の定義と認定基準
特定空き家に指定された場合のデメリット
管理不全空家との違い
特定空き家にならないための対策
定期的な空き家のメンテナンス
空き家の活用を検討する
専門家への相談
空き家を解体・リフォームする
相続を見据えた対策
相続を見据えた話し合い
相続放棄という選択肢
まとめ:空き家を放置せず、早めの対策を
特定空き家とは?指定されるとどうなる?
特定空き家の定義と認定基準
特定空き家とは、空き家対策特別措置法に基づき、放置すると危険な状態になると判断された空き家のことです。具体的には、倒壊の危険性がある、衛生上有害となる恐れがある、景観を損なうなどの状態が認定基準となります。
より詳細には、建築物やその一部が著しく損傷し、倒壊の危険性が高い状態、あるいは屋根や外壁が剥がれ落ち、周囲に危害を及ぼす可能性がある状態などが該当します。また、ごみや汚物などが堆積し、悪臭が発生している、ネズミや害虫が繁殖しているなど、衛生的な問題を引き起こしている場合も認定基準に含まれます。
さらに、雑草が繁茂し、不法投棄が繰り返されるなど、周辺の景観を著しく損なっている状態も、特定空き家と判断される要因となります。これらの認定基準は、地域の住環境を維持し、安全で安心な暮らしを守るために設けられています。特定空き家に認定されると、所有者には様々な義務が生じ、改善に向けた対応が求められます。
これらの基準に該当するかどうかは、自治体の担当者が現地調査を行い、総合的に判断されます。空き家の所有者は、日頃から適切な管理を行い、特定空き家に認定されないように注意する必要があります。もし、自分の所有する空き家が心配な場合は、自治体の窓口や専門家へ相談することを推奨します。
特定空き家に指定された場合のデメリット
特定空き家に指定されると、行政からの指導や勧告、命令を受けることがあります。また、固定資産税の軽減措置が受けられなくなるため、税負担が増加します。最悪の場合、行政代執行により解体され、その費用を請求されることもあります。
具体的には、まず自治体から改善を求める指導や助言が行われます。これに従わない場合、改善勧告が出され、それでも改善が見られない場合は、改善命令が下されます。この命令に違反すると、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
固定資産税の軽減措置が受けられなくなることも大きなデメリットです。住宅用地の特例により、固定資産税は軽減されていますが、特定空き家に指定されると、この特例が適用されなくなります。その結果、固定資産税が最大で6倍になることもあります。
さらに、改善命令に応じない場合や、空き家の状態が著しく危険な場合は、行政代執行が行われることがあります。これは、行政が所有者に代わって空き家を解体し、その費用を所有者に請求するというものです。解体費用は高額になることが多く、所有者の経済的な負担は非常に大きくなります。
このように、特定空き家に指定されると、様々なデメリットが発生します。空き家を放置せずに、適切な管理を行い、特定空き家に指定されないようにすることが重要です。
管理不全空家との違い
管理不全空家は特定空き家の予備軍とみなされ、「空き家の適切な管理」を促すことを目的とされています。
管理不全空家は、特定空き家に至る前の段階の空き家を指します。具体的には、適切な管理が行われておらず、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす可能性がある状態の空き家です。例えば、雑草が繁茂している、ゴミが散乱している、建物の老朽化が進んでいるなどが該当します。
管理不全空家と特定空き家の大きな違いは、その危険性の度合いです。特定空き家は、倒壊の危険性がある、衛生上有害であるなど、より深刻な状態にあると判断された空き家です。一方、管理不全空家は、将来的に特定空き家になる可能性があるものの、現時点ではそこまで深刻な状態ではないとされています。
管理不全空家に認定されると、自治体から所有者に対して、適切な管理を促す指導や助言が行われます。この段階では、罰則や固定資産税の軽減措置の解除などのペナルティはありません。しかし、指導や助言に従わず、改善が見られない場合は、特定空き家に指定される可能性があります。
したがって、空き家を所有している場合は、管理不全空家に認定されないように、日頃から適切な管理を行うことが重要です。定期的な清掃や修繕、雑草の除去などを行い、空き家を良好な状態に保つように心がけましょう。
特定空き家にならないための対策
定期的な空き家のメンテナンス
まずは、定期的に空き家を訪問し、清掃や換気、修繕などを行いましょう。雨漏りやシロアリ被害など、早期発見・早期対応が重要です。セコムやALSOKなどのホームセキュリティサービスの導入も有効です。
具体的には、月に一度は空き家を訪問し、室内の換気を行うことが大切です。換気をすることで、湿気がこもり、カビが発生するのを防ぐことができます。また、清掃を行うことで、ゴミや埃が溜まるのを防ぎ、害虫の発生を抑制することができます。
建物の状態を定期的にチェックすることも重要です。屋根や外壁にひび割れがないか、雨漏りの跡がないか、シロアリの被害がないかなどを確認しましょう。もし異常が見つかった場合は、早めに専門業者に依頼して修理を行うようにしましょう。
防犯対策も忘れずに行いましょう。空き家は、不審者の侵入や不法投棄の標的になりやすいです。セコムやALSOKなどのホームセキュリティサービスを導入したり、防犯カメラを設置したりするなどの対策を講じましょう。また、定期的に近隣住民に声をかけ、空き家の様子を見てもらうのも有効な手段です。
これらのメンテナンスを定期的に行うことで、空き家の劣化を防ぎ、特定空き家に指定されるリスクを減らすことができます。また、空き家の価値を維持することにもつながります。
空き家の活用を検討する
空き家を放置せずに、賃貸に出したり、売却したりすることも有効な対策です。近年では、空き家バンクなどを利用して、空き家を有効活用する動きも広がっています。
賃貸に出す場合は、リフォームやリノベーションを行い、入居者が快適に過ごせるようにする必要があります。また、入居者の募集や契約手続き、家賃の回収などの管理業務も行う必要があります。これらの業務を自分で行うのが難しい場合は、不動産管理会社に委託することもできます。
売却する場合は、不動産業者に仲介を依頼するのが一般的です。不動産業者は、空き家の査定を行い、買い手を探してくれます。売却価格は、空き家の状態や立地条件などによって大きく変動します。
空き家バンクは、自治体が運営する空き家情報サイトです。空き家を貸したい、または売りたい人が、空き家バンクに登録することで、空き家情報を公開することができます。空き家バンクを利用することで、空き家を有効活用したいと考えている人に見つけてもらいやすくなります。
その他にも、空き家をシェアハウスとして活用したり、地域交流の拠点として活用したりするなどの方法もあります。空き家の状態や地域のニーズに合わせて、最適な活用方法を検討しましょう。
専門家への相談
空き家の管理や活用方法について、専門家(不動産業者、弁護士、税理士など)に相談することもおすすめです。状況に応じた最適なアドバイスを受けることができます。空き家活用.netのような専門サイトも参考になります。
不動産業者に相談すれば、空き家の査定や売却、賃貸に関するアドバイスを受けることができます。弁護士に相談すれば、相続や法律に関する問題について相談することができます。税理士に相談すれば、税金に関する問題について相談することができます。
これらの専門家は、空き家に関する様々な知識や経験を持っており、所有者の状況に合わせて最適な解決策を提案してくれます。また、専門家への相談は、自分だけでは気づかない問題点やリスクを発見するきっかけにもなります。
空き家活用.netのような専門サイトでは、空き家の活用事例やノウハウ、専門家への相談窓口などが掲載されています。これらの情報を参考に、自分の空き家に合った活用方法を見つけることができます。
専門家への相談は、費用がかかる場合がありますが、長期的に見れば、空き家を適切に管理し、有効活用するための投資と考えることができます。空き家に関する悩みや不安がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
空き家を解体・リフォームする
思い切って空き家を解体して更地にする、あるいはリフォームして住めるようにすることも検討しましょう。
空き家を解体して更地にする場合、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性があることに注意が必要です。しかし、更地にすることで、土地の活用方法が広がり、駐車場や資材置き場として利用したり、新たに建物を建てたりすることができます。
リフォームする場合は、建物の老朽化状況や耐震性を考慮する必要があります。大規模なリフォームが必要な場合は、費用が高額になることもあります。しかし、リフォームによって、空き家を再び住めるようにすることで、資産価値を高めることができます。
リフォームには、部分的なリフォームと全面的なリフォームがあります。部分的なリフォームでは、水回りや内装など、特に劣化が激しい箇所を修繕します。全面的なリフォームでは、建物の構造部分から見直し、間取りの変更や断熱性能の向上などを行います。
リフォームを行う際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。複数の業者から見積もりを取り、実績や評判などを比較検討しましょう。また、リフォーム後の保証やアフターサービスについても確認しておきましょう。
解体やリフォームは、費用がかかる対策ですが、空き家の状態や将来的な活用方法を考慮して、最適な方法を選択しましょう。
相続を見据えた対策
相続を見据えた話し合い
空き家の相続が発生する可能性がある場合は、相続人同士で空き家の取り扱いについて話し合っておくことが重要です。将来的な活用方法や管理方法について合意形成を図っておきましょう。
相続が発生すると、空き家の所有権は相続人に移ります。相続人が複数いる場合は、空き家を共有することになります。共有状態では、空き家の売却や活用を行う際に、相続人全員の同意が必要となるため、意思決定が難しくなることがあります。
相続が発生する前に、相続人同士で空き家の取り扱いについて話し合っておくことで、相続後のトラブルを未然に防ぐことができます。具体的には、空き家を誰が相続するのか、相続後にどのように活用するのか、管理は誰が行うのかなどを話し合い、合意形成を図っておきましょう。
話し合いの結果は、遺言書に記載しておくことをおすすめします。遺言書は、相続に関する意思表示を明確にするための重要な書類です。遺言書を作成することで、相続人間の紛争を防止し、円滑な相続を実現することができます。
また、空き家の相続税評価額を把握しておくことも重要です。相続税は、相続財産の評価額に基づいて課税されます。空き家の相続税評価額を知っておくことで、相続税の納税資金を準備することができます。税理士に相談すれば、空き家の相続税評価額を算出してもらうことができます。
相続放棄という選択肢
空き家の管理が難しい場合は、相続放棄という選択肢もあります。ただし、相続放棄には他の財産も手放すことになるため、慎重に検討する必要があります。
相続放棄とは、相続人が被相続人の財産を一切相続しないことを表明する手続きです。相続放棄をすると、空き家の所有権を放棄することになり、管理責任もなくなります。しかし、相続放棄をすると、空き家以外の預貯金や不動産などの財産も相続することができなくなります。
相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に行う必要があります。相続放棄をするには、家庭裁判所に申述する必要があります。申述には、戸籍謄本や印鑑証明書などの書類が必要となります。
相続放棄をするかどうかは、慎重に検討する必要があります。空き家の管理費用や修繕費用、固定資産税などを考慮し、相続放棄をした方が得策かどうかを判断しましょう。弁護士や税理士に相談すれば、相続放棄に関するアドバイスを受けることができます。
また、相続放棄をする場合は、他の相続人にも事前に相談しておくことをおすすめします。相続放棄をすると、他の相続人の相続分が増えることになるため、相続人間の関係が悪化する可能性があります。
相続放棄は、最終的な手段として検討し、慎重に判断するようにしましょう。
まとめ:空き家を放置せず、早めの対策を
空き家を放置すると、特定空き家に指定され、様々なデメリットが発生する可能性があります。定期的なメンテナンスや活用、専門家への相談などを通じて、早めの対策を心がけましょう。それが、大切な資産を守り、安心した生活を送るための第一歩となります。
空き家問題は、所有者だけでなく、地域社会全体の問題でもあります。空き家が放置されると、景観が悪化したり、治安が悪化したりする可能性があります。また、災害時には、倒壊の危険性があるため、周囲の住民に危害を及ぼす可能性もあります。
空き家を放置せずに、適切な管理を行うことは、所有者の責任であると同時に、地域社会への貢献でもあります。空き家を有効活用することで、地域の活性化にもつながります。
空き家対策は、早ければ早いほど効果的です。空き家の状態が悪化する前に、対策を講じることで、費用を抑えることができます。また、早めの対策は、精神的な負担を軽減することにもつながります。
空き家に関する悩みや不安がある場合は、一人で悩まずに、専門家や自治体の窓口に相談しましょう。様々な支援制度やアドバイスを受けることができます。空き家問題の解決に向けて、一歩踏み出しましょう。
空き家を放置せず、早めの対策を心がけることが、将来の安心につながります。

当社は、 全国の空き家問題や相続問題・訳あり不動産の買取を専門とした会社です。
「豊富な経験」「多数の実績」「高い修復技術」「信用」を武器に、日本全国の空き家問題を抱えている物件を高価買取しております。お客様に寄り添って一番良い解決方法をご提案致します。
不動産回りのトラブルから手続きの仕方など、些細な問題も親身に真剣にお答え致します。 是非お気軽にお問合せください。空き家買取バンク公式ライン24時間受付中